社外への引継ぎ(M&A等)

社外への引継ぎ(M&A等)

M&Aの目的

社外の第三者への譲渡による事業存続を目指す

後継者が親族内、あるいは社内の役員・従業員にいない場合は、社外の第三者への引継ぎ(M&A等)による事業存続の道があります。これまでM&Aに対しては、かつては、「身売り」、「マネーゲーム」といったマイナスイメージがありましたが、近年では、M&Aによる事業の維持、譲受け先の事業との融合による飛躍などプラス面が注目され、事業承継の一つの在り方として認知されています。

M&Aの準備

企業価値を高めて有利な条件で譲渡する

M&Aで事業を引き継ぐための準備の一つに「磨き上げ」があります。磨き上げは、事業の競争力向上や内部統制の構築など、企業価値を高める取組のことです。企業価値を高めることで、より良い譲受け先が見つかる可能性や、譲渡価格が上がる可能性が高まります。

M&Aの代表的な手法

株式譲渡と事業譲渡によるM&Aが一般的

中小企業のM&Aは、株式譲渡(自社株式を他の会社や個人に譲渡)と事業譲渡(会社・個人事業主の事業を他の会社や個人事業主に譲渡)のいずれかで行われることが一般的です。

M&Aで用いられる手法

M&Aは、専門的なノウハウが必要とされます。そのため、一般に専門の民間業者、金融機関、士業等専門家などのサポートを受けながら進めます。
なお、中小企業のM&Aの仲介を専門に取り扱う民間の会社がありますが、得意分野や業務の範囲、報酬体系などがそれぞれ異なります。事業承継のセミナーに参加したり、顧問税理士などに相談したりしながら自社にあった仲介機関を選定しましょう。

POINT: 譲渡の条件を明確にする

M&Aでは、どのような手法、内容で事業を譲渡したいのか、経営者自身が考えを明確にしておく必要があります。
その上で、希望に適った事業の譲受け先を探すことになります。

M&Aのマッチングに向けた流れ

譲受け先とのシナジー効果を発揮できる事業発展のチャンス

M&Aでは、その実行を最終目的とするのではなく、M&A後の譲受け先の会社との経営統合をいかに円滑に進め、統合の効果を最大化するかという視点が重要です。

POINT: 譲渡側の経営者がM&A後に新会社に残るメリット

自社の強みや知的資産を譲受け先が確実に承継し、活用していくためにはM&Aを行った双方の合意のもとに、譲渡側企業の旧経営者が一定期間、顧問などとして会社に残ることも有効です。

企業価値の算定方法

M&Aでの会社の企業価値は、最終的には譲受け先との交渉を経て合意に至った価格ですが、①資産・負債の状況、②収益やキャッシュフローの状況、③市場相場の状況などが企業価値を算定する目安となります。

一般に中小企業のM&Aの場合は、時価純資産にのれん代(年間利益に一定年数分を乗じたもの)を加味した評価方法が用いられることが多くなっています。

POINT評価算定の結果と実際の譲渡価格は別物

企業価値は、業種や事業規模、競合相手の有無、市場の成長性といった要因も算定に加味されます。そして、実際の譲渡価格は、譲受け先の資産状況、M&Aに対する緊急度などにも左右されるので、企業価値の評価の結果は、あくまでも目安の一つと考えておく必要があります。